Windows10でHDDを認識しないときはどうする?
「急に外付けHDDをWindows10が認識しないようになった」「Windows10でデバイスとしては認識しているけど、HDDとして認識しない」といったトラブルに見舞われたとき、どのように対処すればいいのか記事にまとめました。いきなりのトラブルは本当に焦ります。
しかし、焦ってWindows10の再起動を繰り返したり、データ復元ソフトを使用したりしないでください。HDDを認識しない原因は「物理障害」「論理障害」「外部機器」の3つの原因があります。認識しない原因を切り分け、適切に対処することが必要です。
Windows10が外付けHDDを認識しない原因
Windows10が外付けHDDを認識しない原因は3つ考えられます。「物理障害」「論理障害」「USBケーブルやアダプタなどの故障」です。物理障害や論理障害はHDDそのものにデータ障害が起きているケースです。
外付けHDDの場合、ドライブに接続しているUSBケーブルやアダプタの故障も考えられます。それぞれ、どのように対処すればいいのか解説します。なお、増設した内蔵HDDのケースでも、外付けHDDと共通したケースが考えられます。
物理障害
物理障害とはHDDが物理的に破損してWindows10が認識しない状態です。物理障害の原因は経年劣化やドライブの落下、水没、落雷などが考えられます。
物理障害でよく見られる現象は「HDDから異音がする」「焦げ臭いにおいがする」「Windows10のエラーメッセージが出る」「データを読み書きするスピードが遅くなる」などです。
これらの現象は外付けHDDだけでなく、内蔵HDDでも起こりえます。物理障害はデータ復旧ソフトでは回復しないどころか、症状を悪化させる場合もあります。物理障害が起きたらWindows10の電源を切り、ドライブへの通電を止めてください。
論理障害
論理障害はHDD本体に問題はありませんが、保存されているデータやファイルシステムが破損している状態です。「ドライブがフォーマットされていない」とメッセージが出たり、内蔵HDDの場合はWindows10が起動できなかったりすることもあります。
論理障害はデータ復旧ソフトを用いて復旧できることがあります。論理障害ではWindows10がHDDを認識しないケースはほとんどありません。論理障害はWindows10に何らかの操作を行った場合に発生することが多いです。論理障害が起きたらデータの書き込みや上書きになる操作を控えるようにしましょう。
USBケーブルやアダプタなどの故障
外付けHDDならUSBケーブルやアダプタの故障で、Windows10がHDDを認識しないケースが考えられます。USBケーブルの経年劣化による故障やアダプタの断線をチェックしてください。予備の機材で認識しないかどうか試してみましょう。
USBケーブルやアダプタの故障なら対処は簡単です。予備の機材を使うか、新しく対応した機材を購入しましょう。外付けHDDには通電ランプがありますから、通電ランプが点灯しているならUSBケーブルなど接続機器の故障を疑いましょう。
Windows10が外付けHDDを認識しない場合の対処方法
Windows10がHDDを認識しない場合の対処法について解説します。
再起動
Windows10のソフトに何らかの不具合が生じており、HDDの動作に異常が見られるケースがあります。安全に外付けHDDを取り外し、Windows10を再起動させてみましょう。再度HDDを接続して認識しないようなら、外付けHDDそのものにトラブルが起きている可能性大です。
外部機器の状態を確認
外付けHDDの接続機器の不具合も考えられます。外付けHDDの通電ランプが点灯しているかどうか確認しましょう。点灯していない場合はACアダプタが原因と考えられます。接続機器のUSBケーブルの経年劣化や断線も考えられます。
外部機器が故障していると、Windows10が外付けHDDを認識しないので注意が必要です。外部機器の故障なら、対応した機材を新たに購入して接続しましょう。
フォーマット
HDDをWindows10が認識しない場合、フォーマットすることで問題が解決することがあります。しかし、フォーマットではHDDの内部データが削除されてしまいます。内部データが損失してもかまわない場合のみ試してください。
なお、内蔵HDDのフォーマットは慎重に行ってください。重要なファイルシステムのあるドライブをフォーマットすると、よりトラブルが悪化する恐れがあります。
コマンドで修復
外付けHDDをWindows10に接続したときに何らかのデバイスとしては認識されるが、HDDとして認識しない場合はコマンドでの修復を試しましょう。
Windows(Windows7・Windows8・Windows10)
「chkdsk」はWindowsのドライブエラーチェックツールで、コマンドプロンプトから起動します。「/f」「/r」のオプションを指定することで認識しないドライブの修復も可能です。ただし、「chkdsk」はファイルシステムのエラーをチェックするものであり、物理障害には有効ではありません。
- Windows10のデスクトップ検索でコマンドプロンプトを起動
- コマンドプロンプトにて「chkdsk d: /f」(d:はHDDに該当するドライブ)と入力
Mac
- Finderでアプリケーションフォルダを開く
- ユーティリティフォルダを開く
- ターミナルを開く
- 「$/sbin/fsck -fy /dev/disk2s2(HDDに該当するドライブ)」と入力してEnterを押す
Windows、Macどちらも軽度の論理障害かつファイルシステムのエラーの場合のみ有効です。重度の論理障害、物理障害の場合は症状が悪化することが考えられます。
外付けHDDを認識しない場合の注意点
HDDをWindows10が認識しないからと焦ってはいけません。認識しない原因を適切に見極めて対処するためには、症状を悪化させる行いをつつしむべきです。「電源のオンオフを繰り返さない」「分解しない」「復元ソフトの使用は適切に」などいくつかの注意点があります。
電源のオンオフを繰り返さない
外付けHDDをWindows10が認識しない場合、電源のオンオフを繰り返さないようにしましょう。電源のオンオフはHDDに負担が大きく、物理障害が発生している場合は症状を悪化させる恐れがあります。PCから安全にHDDを取り外した状態で再起動などは行ってください。
通電は最小に
外付けHDDから異音がする、焦げ臭いなどの物理障害が起こっている場合は通電を避けましょう。物理障害は通電すればするほど悪化していく恐れがあります。内部の磁気ヘッドが不規則にプラッタを傷付け、データの復旧が困難になる場合もあります。
分解はしない
HDDを分解するのはおすすめできません。分解には専門知識が必要な上、専用のクリーンルームで行うことが求められます。HDDは精密部品で構成されているため、小さなホコリや指紋でさえも故障の原因になります。
データ復元ソフトの使用は慎重に
Windows10やMacに対応したデータ復元ソフトはいくつかリリースされています。BIOSでUSBメモリから起動させるソフトなどさまざまな製品がリリースされていますが、HDDの故障時にはおすすめできません。復旧を困難にするだけでなく、症状を悪化させる恐れがあるからです。
論理障害とはっきりわかっているときだけデータ復元ソフトを使用しましょう。物理障害の場合は絶対に復元ソフトを使用しないでください。
修理や復旧は専門業者に依頼しよう
Windows10でいきなりHDDを認識しない事態に陥ると、ほとんどの人が焦ります。しかし、落ち着いて認識しない原因を切り分けて対処しましょう。認識しない原因は「論理障害」「物理障害」「外部機器のトラブル」の3つです。
認識しないからとWindows10の再起動や電源のオンオフを繰り返すと、余計に症状を悪化させる恐れがあります。重要なデータが入っているなら、もっとも確実なのは復旧専門業者に持ち込むことです。認識しない原因を切り分けて適切に対処しましょう。