Windowsをエラーチェックして修復しよう
HDDエラーにはいろいろな種類がありますが、大別すると論理障害と物理障害の2種類です。
物理障害はHDDから異音や焦げ臭いにおいがしたり、CRCエラー(巡回冗長検査エラー)が発生したりします。物理障害はエラー修復が不可能です。速やかにバックアップを取りましょう。
しかし、論理障害なら修復の可能性があります。今回の記事では論理障害のエラーチェックや修復の方法について解説します。
HDDエラーの種類
HDDのエラーメッセージには何種類もあります。
「ハードディスクの問題が検出されました」「送り側のファイルまたはディスクから読み取れません」「G:¥(ドライブ名)にアクセスできません。データエラー(巡回冗長検査エラー)です」
エラー種類によって表示されるメッセージが異なります。原因を特定する材料になりますので、エラーメッセージが出たらメモしておきましょう。
HDDエラーの症状
HDDのエラーや故障の際は以下のような症状が出ます。
- HDDから異音がする
- パソコンが起動しなくなる
- ブルースクリーンが頻繁に表示される
- エラーメッセージが出る
- パソコンが突然再起動する
- パソコンがフリーズする
これらの症状が出たらHDDのエラーや故障を疑いましょう。すぐにバックアップやエラーチェックを行ってください。
エラーが生じる原因
HDDエラーが生じる原因をまとめました。エラーが生じたらエラーチェックをしてから修復を試みましょう。
物理障害
HDDは精密機械なので、経年劣化や衝撃によって故障することがあります。こういった物理的な故障を物理障害と言います。物理障害は再起動や電源のオンオフを繰り返すと悪化することがほとんどです。
通電を止めてバックアップを取り、プロのHDD復旧業者に依頼することを検討しましょう。
ウイルスへの感染
HDDの故障はウイルスへの感染も疑われます。パソコンにウイルスが感染すると、システムドライブなどが攻撃を受けて損傷します。ウイルスに感染した場合でもHDDエラーが出ることがあります。
システムのエラー
断片化したファイルやレジストリエラー、スタートアップの過剰動作などシステムエラーの原因はいろいろ考えられます。システムエラーが起きると重要なファイルを誤って削除したり、システムファイルの破損が起きたりすることもあります。
エラーチェックでファイルシステムの破損をチェックしましょう。
不良セクタや内部に書き込みエラーの発生
HDDにエラーが生じた場合、不良セクタが生じやすくなります。不良セクタが生じると保存されているデータにも損傷を与える恐れがあります。不良セクタが生じたときもエラーメッセージが出ます。
エラーチェックをして不良セクタを修復しましょう。
HDDのエラーチェックをする5つの方法
HDDのエラーチェックをする方法を5つ紹介します。もっとも一般的な方法はWindowsの「chkdsk」を利用することです。
「セキュリティとメンテナンス」でステータスを確認
「セキュリティとメンテナンス」でエラーチェックができます。以下の手順でエラーチェックしましょう。
- 「コントロールパネル」を開く
- 「セキュリティとメンテナンス」を選択
- 「メンテナンス」を選択
- ドライブの状態でエラーチェック
「すべてのドライブが正しく動作しています」と表示されていれば特に問題ありません。
プロパティでドライブツールを使用
ドライブツールを使用してHDDのエラーチェックを行います。以下の手順に従って操作してください。
- エクスプローラーを開く
- 「PC」を選択してスキャンしたいドライブを右クリック
- 「プロパティ」から「ツール」タブを選択
- 「エラーチェック」の「チェック」を選択
- 「ドライブスキャン」でスキャンする
この方法はWindowsの「chkdsk(チェックディスク)」を用いています。チェックディスクは後述するように、コマンドラインからも起動できます。
チェックディスク「chkdsk」を使用
HDDのエラーチェックでもっとも有効なのが「chkdsk」です。「chkdsk」は「/f」や「/r」のオプションを指定して実行することで修復も行えます。以下の方法でエラーチェックと修復を行いましょう。
- 「Windows」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開く
- 「名前」ボックスに「cmd」を入力して「OK」を選択
- コマンドプロンプトが起動するので「chkdsk c:」(「c:」はエラーチェックしたいドライブ)と入力
- エラーが見つかったら「chkdsk c: /f」を実行。「/f」オプションで修復しきれない場合は「chkdsk c: /r」を実行する
PowerShellで「Repair-Volume」を利用
PowerShellからエラーチェックするなら以下の手順を行ってください。
- スタートメニューの「PowerShell」を起動
- ドライブをスキャン・修復するには「Repair-Volume -DriveLetter」を入力してEnterを押下
その他にも、クイックスキャンなら「Repair-Volume -DriveLetter -Scan」、OfflineScanAndFixを実行するなら「Repair-Volume -DriveLetter -OfflineScanAndFix」などのコマンドがあります。
無料ソフトでHDDをエラーチェック
「EaseUS Partition Master Free」などのフリーソフトでHDDのエラーチェックを行う方法もあります。「EaseUS Partition Master Free」の他にも「FromHDDtoSSD」といった、いろいろなフリーソフトがあります。
HDDエラーの修復方法
HDDのエラーを修復する代表的な方法について解説します。
論理障害には「chkdsk」
ファイルシステムのエラーが発生している場合には、コマンドプロンプトから「chkdsk」を実行するのがおすすめです。
- 「Windows」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開く
- 「名前」ボックスに「cmd」を入力して「OK」を選択
- コマンドプロンプトが起動するので「chkdsk c: /f」を実行。「/f」オプションで修復しきれない場合は「chkdsk c: /r」を実行する
「chkdsk」はもっとも一般的なHDDのエラーチェック・修復方法ですが、CRCエラー(巡回冗長検査エラー)が出ている場合は避けましょう。CRCエラーは物理障害である可能性が高いからです。
HDDの初期化
「ハードディスクに問題が検出されました」とエラーが出るなら、エラーを修復するため初期化する方法があります。システムドライブでは実行できない方法です。データドライブのデータを退避させてから行いましょう。
システムファイルチェッカー(SFC)を実行
システムファイルチェッカー(SFC)でHDDをエラーチェックし、修復する方法もあります。システムファイルチェッカー(SFC)の使い方は以下です。
- スタートメニューを右クリック
- 管理者権限でコマンドプロンプトを実行
- 「sfc /scannow」を入力してEnter
このコマンドはHDDの壊れたファイルをエラーチェックし、Windows10のバックアップコピーに置き換えます。
エラーチェックと修復でWindowsを回復
WindowsにはいくつかのHDDのエラーチェック方法があります。エラーメッセージなどが表示されたらエラーチェックして診断し、修復を試みましょう。ただし、CRCエラー(巡回冗長検査エラー)が出ている場合は物理障害の可能性が高いです。
物理障害は論理障害と異なり、システムツールでは修復できません。物理障害の場合は速やかにバックアップを取り、故障したら専門業者に復旧を依頼しましょう。