HDDの故障は基板交換でデータを復旧できる?交換は慎重に検討しよう

HDDの基盤についてや交換手順について解説

基板が損傷したらどうする?

基板が損傷したらどうする?

HDDのケーブルの差し込み部分が折れたり、基板のチップが過電流で焦げたりすると「基板交換すればよいのでは?」と思いがちです。しかし、基板交換にはいろいろなリスクがついてきます。

たとえば、同じ型番のHDDでもファームウェアが異なることも多く、基板交換では復旧できないケースが増えています。間違った基板交換を行うと、メモリーがロックされて解除できないことも。くわえて、基板交換によって症状が余計に悪化するケースも見られます。

今回の記事では基板交換の方法とともに、基板交換のリスクや専門業者に依頼するメリットについて解説します

HDDの基板とは

HDDの基板とは

HDD(ハードディスクドライブ)には基板が使用されています。HDDとはパソコンの部品の1つで、磁気記憶方式によってデータを読み書きする記憶装置です。パソコンの外部記憶装置として標準的に搭載されています。

内部中央のプラッターという磁気ディスク、磁気ヘッドが取り付けられたアクチュエータ、スピンドルモーター、基板などによってHDDは構成されています。HDDの裏面に取り付けられている基板は、磁気ディスクを制御する役割を果たします。

HDDの基盤破損の事例

HDDの基盤破損の事例

HDDの基板は衝突や落下によって破損することがあります。その他にもケーブルを差し込むコネクタのピンが折れたり、水没による障害が考えられます。

くわえて、基板の破損を疑うべき症状は、HDDのモーターが回転しない場合です。モーターが回転しない原因には「ヘッドの不具合」「基板の故障」の2つが考えられます。基板が破損やモーターが回転しない場合、基板の交換で症状が改善することがあります。

ただし、基板上のROMやチップはいろいろな役割を担っているため、安易な基板交換は症状を悪化させることもあります

不良HDDの基板交換手順

不良HDDの基板交換手順

HDDの基板交換の手順について解説します。基板交換作業をするときは慎重に行いましょう。

①必要なもの

基板交換に必要なものは、「基板が壊れたHDD」と同じタイプのHDDないし基板です。基板が手に入らないときは同じ型番のHDDを用意しましょう。コストダウンなどで微妙に素子や形状が異なる場合があるため、できるだけシリアル番号の近いHDDがおすすめです。

その他に必要なものは以下となります。

  1. USB変換アダプタ(USB-SATA)
  2. ハンダ、ハンダごて、ハンダ吸い取り線
  3. 基板を外すための特殊ドライバ

②USB変換アダプタと接続

まず、故障したHDDをUSB変換アダプタと電源に接続してください。万が一、パソコンがHDDを認識したらデータを吸い上げましょう。モーターが回っていない場合は「ヘッドの不具合」「基板の故障」の2つが考えられます。

モーターが回っているなら論理障害が疑われます。この場合は基板交換をしても効果は得られません。

③回路基板の取り外し

HDDの故障の原因が筐体側か基板側かを切り分けるため、基板を外します。HDDの基板は裏側にネジで留められていますが、ネジの頭が特殊な形状をしています。専用の特殊ドライバでしか取り外せませんので注意してください。

取り外したとき、基板と筐体には印をつけておきましょう。識別できるようにしておくと後で楽になります。

④交換用回路基板の取り外し

次に、用意した同タイプのHDDから基板を取り外して、識別できる印をつけておきます。

⑤回路基板の交換及び動作確認

故障したHDDの筐体に正常な回路基板を取り付け、基板交換します。組み立てたHDDにUSBアダプタを接続し、電源を入れてください。もし、モーターが回り始めたら故障の原因は基板だと判明します。このとき、ヘッドがカンカンとぶつかる音がするのも想定内です。

ディスクが回ることを確認したらUSBアダプタの電源を切りましょう。

⑥不揮発性メモリー(EEPROM)の探索

カンカンとヘッドがぶつかる音の原因は、基板を交換することでヘッドの初期値が入れ替わってしまったためです

この初期値は回路基板上の不揮発性メモリーに残っています。故障している基板の不揮発性メモリーを、正常な基板に移植してやればカンカンと鳴っている音もなくなり、ヘッドも正常な位置になります。

それらしい素子を見つけて型番を調べ、ネットで検索すると不揮発性メモリーかどうかわかります。もしくは、HDDの仕様書を基板交換前にチェックしておきましょう。

⑦正常な基板から不良基板に不揮発性メモリーの交換

故障している基板から、ハンダごてとハンダ吸い取り線を使って不揮発性メモリーを取り外します。このときに、不揮発性メモリーにも識別できる印をつけておきましょう。次に、取り外した不揮発性メモリーを新しい基板にハンダ付けします

このとき、接触不良やショートがないかよく確認しましょう。

⑧動作確認

再度、USBアダプタに接続して電源をつけます。ディスクが回転してカンカンした音がなくなっていれば修理完了です。基板交換をした後でも故障の可能性はゼロではありません。バックアップを必ず取っておくようにしましょう。

基盤交換でHDDが復旧できるとは限らない

基盤交換でHDDが復旧できるとは限らない

HDDのファームウェアは基板上のフラッシュメモリーと、ハードディスク上のトラック0エリアの両方に書き込まれています。フラッシュメモリーには最低限の容量しかないため、最近の肥大化したファームウェアは入り切りません。そのため、HDDの起動に必要な最低限の部分だけフラッシュメモリーに入っています。

そして、ファームウェアが一致しないとHDDは起動しません。フラッシュメモリーのファームウェアを参照して、ヘッドは所定位置のトラック0のファームウェアを読み込みに行きます。基板が交換されてファームウェア情報が異なっていると、誤った情報をもとにブートを開始して症状をより悪化させます。

ファームウェア番号が一致したとしても、近年のHDDはロットごとにファームウェアが異なります。そのため、近いシリアル番号(同じロット)でなければ、基板交換しても正常に動作しません。異なるファームウェアの場合はロックされてしまう可能性もあります。

基板交換は専門知識を持った人が慎重に行うことが求められます。

基板交換は専門業者がベスト

基板交換は専門業者がベスト

基板交換が必要な症状になったとき、専門業者に任せるのがもっとも確実です。専門業者なら基板交換しなくても基板障害に対応できます。基板を交換することが目的ではなく、大目的はHDDのデータ復旧です。物理障害の場合は特に、HDDデータ復旧業者に依頼するのがおすすめです。

デルタリペアサービス

基板交換が必要な損傷が発生したとき、デルタリペアサービスなら2万9800円の定額でデータ復旧を請け負います落雷や過電圧、ACアダプタの誤使用による基板へのダメージは物理障害と判定され、通常は高額なデータ復旧に高額な費用がかかります

基板交換が必要な損傷でも、デルタリペアサービスなら2万9800円の定額でデータ復旧を行っています。しかも、完全成功報酬制なので、データ復旧できなかった場合は費用がかかりません。データ復旧はSeagateやWD、東芝など全メーカーに対応しています。

LIVEDATA

LIVEDATAは基板交換が必要な損傷でもデータ復旧を請け負っています。依頼の9割が物理障害で、「基板の交換が必要」「焦げ臭いにおいがする」「異音がする」といった症状のHDDのデータ復旧を行ってきた実績があります。

HDDは精密機械であり、一度分解するとその後の復旧率が大きく下がります。自分で基板交換して通電させてしまうと、二度とデータの復旧ができないかもしれません。物理障害の場合は基板交換する前に、LIVEDATAに依頼しましょう。

基板交換はリスクが大きい

一昔前のHDDは基板交換で復旧したケースが多かったようです。しかし、近年のHDDはさらに精密になっているため、基板交換だけでは復旧しないどころか症状が悪化するケースも目立ちます。安易に基板交換せず、HDDデータ復旧業者に依頼するのがおすすめです。

どうしても基板交換をするなら「壊れてもよい」程度のHDDで行いましょう。データは一度失うと取り返しがつきません。基板交換をするときは慎重にリスクを検討しましょう。